俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

大場久美子「大人になれば」

外国人学者のアテンドみたいなことしてると痛感しますが、外国語会話、得意じゃありません。正しく話しているつもりでも、いつのまにか話がかみ合わなくなっていたりします。

本屋さんに行くと、たまに英会話のハウツー本なんかをパラパラと立ち読みしたりします。なかには、文法的に正しくても、日本風にへりくだったものの言い方は厳禁、なんてことが書いてあるものもあったりします。たしかに「謙譲の美徳」は通じない、というのには一理あって、外国からのお客さんと世間話をしているといつのまにか「あなたの専門は」「お恥ずかしいですが○○です」「別に恥ずかしくはありません。素晴らしいではありませんか」「いえほんとにまだほんの駆け出しで」「あなたはなんてペシミストなの」「ほめてくれてありがとう」「別にほめてないわよ」といった変な会話になることがあって、「ははあ、このことか」と思い当たります。

今日の一曲は大場久美子「大人になれば」。iTunesStoreで買ったのでクレジットがないのですが、これ、たしか浜口庫之助さんの詞・曲じゃなかったですか。昔、近田春夫さんが深夜放送でこの曲をかけながら「『大人になれば チョコレート食べて いろんなことを 考えるものさ』って、なんか馬鹿みたいな詞ですね~」と言ってましたが、近田さんがこんな風に言うときって、けなしてるんじゃなくほめてるんですよね。「夢とは何でしょう 恋とは何でしょう 甘くて苦い 味のものかな」って、別に惚れたはれたではなく、ただ大人になることへの憧れと不安を歌ってるだけなんですが、このメロディ、なんという切なさでしょうjか。仕事に疲れて帰ってきた日、これを聴きながら昔のことを思い出しています。

かみ合わない会話のお相手は某国の女性でした。別れ際に、お礼にと言ってチョコレートを一枚くれました。「とっても甘くて、ペシミズムに効くわよ」って、気の利いたこと言うもんだなあ、ってか、からかわれてるんですかね、僕。まあいいや、明日も頑張ろう。