俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

アン・ルイス「あゝ無情」

勤め人の火曜日。しかも腰が痛くて、立ったり座ったりもつらいです。まだ火曜日だってのに、一週間が長く感じられます。

今日は定時に退けて、ガソリンスタンドで洗車その他。美しい夏の夕暮れで、そのまま遠くへ行きたくなりましたけど、腰も痛いし、がまんして帰宅。

カーステレオではアン・ルイスさんのベスト盤が鳴っています。デビュー曲「グッド・バイ・マイ・ラブ」の清楚で素直な混血ポップ・シンガーぶりから、のちのド派手ハードロック歌謡路線へ。合い間には、絶品のソウル・バラード「シャンプー」があり、16ビートの「恋のブギ・ウギ・トレイン」がある、というバラエティの豊かさが楽しませてくれます。

で、ハードロック歌謡ということだと、「六本木心中」が代表作、ってことになるんだと思うんですよ。でも、今日の記事では、「あゝ無情」を採りたいと思うのです。歌詞はほぼ同趣向、年下のジゴロっぽい男に入れあげている大人のオンナの心情吐露、というところですが、こっちのほうが女性であることの悲しさといじらしさが出てる感じがしますね。

といっても、これ、「実証研究」にもとづいた見解じゃないですからね。本物の「大人のオンナ」にこんな風ににじり寄られた経験ないもんね。

きれいでしょ ヒラヒラと

いい女でしょ

見かけより 尽くすタイプね

って、自分で言わないでよ…と思ったら、「六本木心中」同様、この曲も、作詞は湯川れい子女史。それをアン・ルイス姐さんがバックのしもじもを引き連れて歌い上げるんですから、文句つけようない貫禄です。

まあ、こうやって女性に迫り倒される怖さ(と快楽)が実感としてわかる、というオトコというのもそんなにたくさん世の中にいるわけじゃないと思うのです。そうして、こういうのがいまひとつ実感としてわからない、という自分の人生の平凡さと地味さを、しみじみとありがたいと思うのです。