中山うり「ばいばいどくおぶざべい」
若い人を連れてあっちの博物館、こっちの研究施設。今度の土曜は苗木を植える実習についていきます。秋までは息つくひまもない日常。今年の夏も忙しくなるなあ…。
で、忙しく働いてると、ときどき勘違いをしてしまいます。オレがこんなにいろんなことをやらされていて、オレがいなくなったらこの職場、どうすんだ?
別にどうもしませんよ。人の代わりなんて、いくらでもいるんですよ。僕がいなくなったら、誰かが、何事もなかったように、若い人を率いて、ちゃーんと仕事しているでしょうね。
そんな心情を歌った中島みゆき作詞・作曲のうたをカバーしたのが中山うり「ばいばいどくおぶざべい」(アルバム『DoReMiFa』収録)。「おいらの左手もうだめなんだってさ」とステージを去ってゆく場末のロック音楽家の歌です。
次の土曜の晩に この店に来てみれば
誰かがきっと歌ってるんだろうな
らいかろうりんすとうん
挨拶を切り出すのはこっちから
誰もおいらを覚えてないだろうな
らいかろうりんすとうん
どうです、この哀切、この諦念。中島みゆきの恨みっぽさ、ひがみっぽさがいい形で出た名曲です。中山うりのアルバムは、いかにも渋く通好みな線を狙ったあざとい作品という感じもなくはないんですが、こんないい曲が入ってるんだから、意地悪なことは言いっこなし。悪くないっすよ。曇り空の下、車を走らせながら、ひさびさ聴いて泣きました。