天球儀文庫
もう2年前になるんですが、8月に、ユジノサハリンスクへ3日間だけ出張しました。夏休みは自分の勉強がしたいのに…と思いますけど、仕事ですからね、行けといわれれば行きますよ。出発の前日、函館駅前のホテルに泊まったんですが、夕方、函館駅構内の書店でこの本を見つけました。
長野まゆみ『天球儀文庫』(河出書房新社[河出文庫]、2005年)
長野まゆみさんというかたがどういう作家なのか、まったく知りませんでした。だから、この出会いは大変な衝撃。どこか架空の世界の、少年たちの友情と別離の物語。宮沢賢治という名がまっさきに思い浮かぶけど、アレクサンドル・グリーンという名を思い浮かべる人もいるんじゃないかな、なんて思いながら、ユジノサハリンスクのホテルの明かりのもとで読了。
そのあとこの作家の本をまとめて取り寄せて、ちょっと熱中した、なんて言うと笑われちゃうのかな。でも、このすきとおった空気感、なかなか。
読まなければならない本を放り出して、関係ない本を読んでいるときが、一番イマジネーションが全開になっている感じがします。困ったもんです。